若手社員のアイデアで「風通しのいいオフィス」へ——DIC 管理本部が実施した引っ越しプロジェクト
2023年2月、第一カッター興業株式会社（以下、DIC）は、将来的な管理本部の増員に対応するために、同じビルの2階から5階へオフィスを移転しました。
新しい管理本部オフィスのコンセプトは「風通しの良さ」。社員エンゲージメントの向上と、一体感の醸成を図り、ワンフロアの壁を打ち抜いた執務室、ガラス張りの会議室、雑談や飲食が可能なフリースペースなどを新設しています。移転前後のオフィスの変化を、写真とともにお届けします。
管理本部オフィスの「ビフォーアフター」
移転前のオフィスは、パソコンのタイピング音が響き渡るほど静かでした。所狭しと並べられた資料。固定の席に1日中座って作業をする社員。仕事に集中できる環境とも言えますが、他の部署のメンバーが話しかけづらい雰囲気でもありました。
「風通しの良さ」というコンセプトは、そんな雰囲気を一新してくれました。広く見通しのいい空間には窓から明るい光が差し込み、緑も映えます。
作業の特性にあわせてワークスタイルを選ぶ「Activity Based Working」の考えを反映したことで、社員の働き方も大きく変わりました。上下昇降デスクで立ちながら作業をしていたり、個室ブースでオンライン会議をしたり、共有スペースで面談をしたりしています。空き時間になると、ソファースペースで談笑する声も聞こえてくるようになりました。
執務室の脇にあるソファースペース
個室ブース
未来を担う「若手のアイデア」を活かした設計
引越しプロジェクトは、これからのDICを担う、女性社員を含む若手を中心に進めました。社内にアンケートをとった要望をもとに、さまざまなこだわりが反映されています。
例えば、ガラス張りの会議室。「会議室の中が見えないと、どこに誰がいるかがわからない」という声を受けて設置しました。新入社員研修などを行う研修室のすぐ隣に社長室があるため、社員と経営陣の距離が近くなり、コミュニケーションの活性化やモチベーション向上、ガバナンスの向上が期待できます。
また、雑談や飲食ができるスペースも大幅にリニューアルしました。これまでは、ビルの1階まで降りた自販機のスペースか、もしくは小さな更衣室しかなかったのですが、エントランスに新しくフリースペースを設置しました。人の出入りが多い場所なので、日頃一緒に働いていない社員同士も気軽に話せる、交流の場になっています。
エントランスのフリースペース
1階の休憩スペース
その他にも、若手社員の固定観念に縛られないアイデアはまだあります。カフェのような窓際の作業スペース、資料を広げやすい大きめのテーブルなどもそうです。また、健康面にも配慮して、エアロバイク式の椅子や、光色調整できる電灯も導入しました。太陽の動きに合わせて、朝は青白い光で身体を覚醒させ、昼食時は少し明るさを押さえて休息を促進、夜は暖色系の光で気持ちを落ち着かせ、帰宅を促進しています。
美しい富士が出迎える「応接エリア」
応接室のイメージもガラリと変わりました。5階に移転したため、富士山の姿もよく見通せるようになっています。
応接室からみる富士
以前の社長室
また、会議室もナチュラルな色使いのカフェのようなものから、白黒基調のシックな空間まで、シーンと用途に合わせた利用が可能です。壁や床、照明のデザインにも、部屋のテーマを反映させています。
「人」を大切にする建設業界のイメージを広げる
2021年11月、DICは中期経営計画(2022年6月期〜2024年6月期)にて、建設業界にある既存のイメージを変えていくために、「人を大切にしながら持続可能な成長」を実現することを宣言しました。大切にしたい「人」には、顧客や作業依頼者だけではなく、一番身近なステークホルダーである、従業員とその家族も含まれています。
今回の引越しプロジェクトは、DICの社員の働きやすさを実現するとともに、「格好いい仕事をしている」という認識を深めてもらうためのものでもありました。社員がイキイキした姿で働くことで、DICに接点を持つ方々にも、その認識が広がっていくと思っています。
これからの時期は、新卒採用の面接が行われます。以前は殺風景な会議室で行っていたものを、ガラス張りの綺麗な空間でできるようになりました。面接を受けてくださる学生さんも、きっといい印象を持ってくれるはずです。このオフィス移転が、建設業界のポジティブなイメージを広げる一助になることを願っています。
